防災情報

BCP経営戦略-国土強靭化計画と持続可能な開発目標SDGsアクションプラン

BCP経営戦略は、企業が事業継続性を確保し、災害や緊急事態に強靭な経営を実現するための計画です。
これを統合的に捉える国土強靭化計画は、企業のBCPを包括的に位置づけ、災害リスクの低減と復旧力の向上を図り、持続可能な開発目標(SDGs)とも連携し、事業継続と社会的責任を両立させるアクションプランを策定することが求められます。
BCP経営戦略と国土強靭化計画を進化させ、SDGsアクションプランに結びつけることで、企業は事業の持続性を高めつつ、社会に対する貢献も果たす経営を実現します。

国土強靱化計画と持続可能な開発目標を推進するための計画

国土強靱化計画(National Resilience Plan)と持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)アクションプランは、それぞれ異なる側面に焦点を当てながら、社会や環境の持続可能性を向上させるための計画です。

これらの計画は異なる側面に焦点を当てながらも、一部重なりがあります。

例えば、国土強靭化計画が地域社会との協力を強化する一方で、SDGsアクションプランも連携と協力が不可欠と考えられています。

特に、SDGsの中には災害時の対応や復旧に関連する目標もあり、国土強靭化の観点からも連携が期待されています。

防災を経営戦略に組み込むためには、企業が災害に強く、社会的責任を果たす組織としての立場を構築することが求められます。

まず、BCP策定で重要な「国土強靭化計画」と、防災視点でモノゴトを考えるにあたり必須項目となる「SDGsゴール11 住み続けられる街づくりを!」を基本に、経営戦略を考えていきましょう。

国土強靱化計画とは、国土の強靱化を推進するため

国土強靱化計画(こくどきょうじんかけいかく)は、日本において自然災害に対する国土の強靱化を推進するための計画で、国土交通省が中心となり、地方自治体や関係機関と連携して策定・実施されています。

自然災害に対する社会の強靱性を向上させ、災害時の被害を最小限に抑え、迅速な復旧・復興を図ることを目的としています。
対策内容: 計画には、耐震性の向上、インフラの強化、土地利用の適切な管理、避難計画の整備などが含まれます。地域社会と連携し、地域全体でのリスクマネジメントを促進します。

出典:内閣資料

出典:国土交通省

主な特徴


災害リスク評価
地域ごとに異なる自然災害のリスクを評価し、その地域に適した対策を検討します。
多様な自然災害への対応
地震、洪水、台風、地滑りなど、さまざまな自然災害に対応するための施策が含まれます。
耐震化・強化対策
道路、橋梁、建築物などの公共施設やインフラの耐震化・強化を進め、災害時の被害を最小限に抑えます。
適切な土地利用
自然災害が少ない地域への適切な土地利用の促進や、危険な地域における適切な対策の推進が考慮されます。
情報伝達・避難計画の整備
災害時の迅速な情報伝達や適切な避難計画の整備が計画され、住民の安全確保が重視されます。
地域社会との協力
地域住民、行政、事業者などが協力して、地域全体での災害対策に取り組む仕組みの構築が重要視されます。

対策の領域


建築物・構造物の耐震化
住宅や公共建築物などの耐震性向上が進められます。
インフラの強化
道路、橋梁、港湾施設などのインフラの強靭性向上が計画されます。
土地利用管理
適切な土地利用計画を策定し、災害の影響を最小限に抑えるための措置が検討されます。
避難計画の策定
避難経路や避難所の整備、住民への適切な情報提供など、避難計画が重視されます。
国土全体の協力体制
地域社会との連携を強化し、地域全体でのリスクマネジメントを推進します。

国土強靱化計画は、一定の期間ごとに見直しが行われ、最新の技術や知見を取り入れながら、国土全体の防災・減災対策を総合的かつ効果的に進めることを目指しています。

出典:内閣資料

災害時における事業継続性・確保を始めとした官民連携強化

サプライチェーンの強靱化も含め、災害が発生しても民間経済活動が継続できるよう官民の連携を図るようにしています。
BCPにおいて、重要な項目です。

  1. 国内におけるサプライチェーンの複線化や工場等の分散など災害等に強い産業構造
  2. 民間施設でも早期に強靱な構造物へ補強等が可能な支援
  3. 民間施設においても適切な情報伝達と早期避難が可能な支援
  4. 非常電源設備を始め民間施設のライフライン確保へ支援
  5. 防災投資や民間資金活用・公共性の高い民間インフラの維持管理など官民連携の強化
  6. 企業体としての社員に対する防災教育の充実
  7. 医療の事業継続性確保の支援
  8. 大規模災害時

令和5年7月28日 国土強靭計画:閣議決定

国土強靱化に当たって考慮すべき主要な事項と情勢の変化

1. 国土強靱化の理念に関する主要事項

  • 「自律・分散・協調」型社会の促進
  • 事前復興の発想の導入促進
  • 地震後の洪水等の複合災害への対応
  • 南海トラフ地震等の巨大・広域災害への対応

2. 分野横断的に対応すべき事項

  • 環境との調和
  • インフラの強靱化・老朽化対策
  • 横断的なリスクコミュニケーション
    (災害弱者等への対応)

3. 社会情勢の変化に関する事項

  • 気候変動の影響
  • グリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現
  • 国際紛争下におけるエネルギー・食料等の安定供給
  • SDGsとの協調
  • デジタル技術の活用
  • パンデミック下における大規模自然災害

4. 近年の災害からの知見

  • 災害関連死に関する対策
  • コロナ禍における自然災害対応

国土強靱化計画は、一定の期間ごとに見直しが行われ、最新の技術や知見を取り入れながら、国土全体の防災・減災対策を総合的かつ効果的に進めることを目指しています。

SDGsアクションプランとは

SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)は、国際連合(UN)が提唱した17の目標であり、2015年に採択されました。これらの目標は、2030年までに地球上の課題や不平等を解消し、持続可能な未来を構築するためのグローバルな計画を示しています。

  1. 包括性と統合性: SDGsは総合的なアプローチを取り、社会、経済、環境の3つの側面をバランスよく組み合わせています。
  2. 参加型プロセス: SDGsの策定には広範なステークホルダー(政府、企業、市民社会など)が参加し、多様な視点を取り入れるよう努められました。
  3. 全ての国と人々への適用: SDGsは途上国だけでなく、先進国にも適用され、世界中のあらゆる人々の生活の向上を目指しています。



これらの目標は、持続可能な開発のための具体的な行動指針を提供し、国際社会全体で連携して実現されることが期待されています。各国や地域、企業、市民社会は、これらの目標に向けて取り組みながら、より公正で持続可能な未来を築くことを目指しています。

SDGsアクションプラン

SDGsアクションプランは、企業や組織が持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)に向けて具体的な行動や戦略を計画し、実施するための戦略的な枠組みや計画を指します。

企業や組織が社会的責任を果たし、環境や社会への影響を最小限に抑えつつ、持続可能な発展に貢献することを目的としています。

   SDGsアクションプランの主な要素や特徴
1.SDGsの選定と焦点領域
組織は、SDGsの中から自身の事業や活動に最も関連する目標やターゲットを選定します。これにより、特定の課題に焦点を当て、具体的な効果を上げることが可能です。
2.現状評価と目標設定
組織は、現状の事業や活動の影響を評価し、SDGsに対する進捗状況を把握します。そして、達成すべき具体的な目標を設定します。これは、SDGsアクションプランの方向性を明確にする重要なステップです。
3. 戦略と具体的な行動
SDGsアクションプランには、SDGsに対する組織の戦略的アプローチや具体的な行動が含まれます。これには、新たな事業戦略、社会的な取り組み、環境への取り組み、イノベーションの導入などが含まれます。
4. パートナーシップの構築
多くの場合、SDGsの達成には連携と協力が不可欠です。SDGsアクションプランは、他の組織やステークホルダーとのパートナーシップを構築し、協力して目標を達成するための取り組みも考慮します。
5. モニタリングと報告
SDGsアクションプランは、進捗状況をモニタリングし、定期的に報告する仕組みを備えています。これにより、組織や企業は自身の成果や課題を透明かつ責任を持って社会と共有できます。

SDGsアクションプランは、組織がSDGsに対して取り組む意欲や効果的な行動を促進し、企業や組織の社会的な影響力を持続可能な方向に誘導するための戦略的な手段となっています。

防災とSDGsの関わりと経営戦略

防災と持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)は、両者ともに社会や地球環境の安定と持続可能な発展を促進するための取り組みで、経営戦略という位置づけですすめられています。

当機構もSDGs宣言と共に、ゴール11「住み続ける街づくりを!」という視点で、事業を行っております。

防災とSDGsは、地域社会や国際社会全体の協力を通じて、より安全で持続可能な未来を築くために結びついています。

日本において持続可能な社会を構築するには、大規模自然災害に備え、強い国づくり・地域づくりを進めていくことが重要であり、国土強靱化とSDGsは密接に関連しています。

参考資料:内閣官房

◆生命と財産の保護(SDG 1, 2, 3, 11)
防災活動は、人々の生命と財産を保護することを主な目的としています。SDG 1(貧困の撲滅)、SDG 2(飢餓の撲滅)、SDG 3(健康と福祉)、SDG 11(住み続けられる都市)など、これらの目標とも連動し、安全な環境を提供することが重要です。
◆地域社会の強靭性(SDG 11)
防災は地域社会の強靭性を向上させ、持続可能な開発目標の一環となります。特にSDG 11(住み続けられる都市)は、都市の脆弱性を低減し、持続可能な社会を構築することを目指しています。
◆教育と情報普及(SDG 4, 9)
防災は教育と情報普及を通じて地域社会を強化します。SDG 4(質の高い教育)とSDG 9(産業、イノベーション、基盤)に基づき、防災教育や災害情報の普及が促進されます。
◆水資源と気候変動対策(SDG 6, 13)
防災は水資源の管理や気候変動への対策にも関連しています。SDG 6(清潔な水と衛生)、SDG 13(気候変動に対処)において、水災害の予防や気候変動に対する適応策が重要です。
◆貧困削減と共有の責任(SDG 1, 17)
防災は貧困を減少させ、地域社会全体での共有の責任を強調します。SDG 1(貧困の撲滅)やSDG 17(パートナーシップ)と連動し、災害の被害を最小限に抑えるための連携が求められます。
◆生態系の保全(SDG 15)
防災は自然環境との調和を図り、SDG 15(陸の生態系の保全)に貢献します。生態系の健全性は、災害の発生や影響を緩和する役割を果たします。

経営戦略に組み込む利点

防災を経営戦略に組み込むためには、企業が災害に強く、社会的責任を果たす組織としての立場を構築することが求められます。

防災を経営戦略にする方法

  1. リスク管理と事業継続性
  2. 企業の信頼性向上
  3. 市場競争力の向上
  4. 効率的なリソース管理
  5. 新たなビジネス機会の創出
  6. 社会への貢献
  7. レポーティングと透明性

どんな災害が起きようと、弊社は事業を継続できる力があることをアプローチしていくことが必要であり、命を守り事業継続ができるハザード確認はもちろんのこと、経営戦略としては現在の対策から導かれることが重要です。

先行投資的な経営戦略は経営者であるならば、誰でも考えていくでしょう。

それ以前に、自分の会社に継続性があるのか?という土台を検討することが、如何に大切な経営戦略であるかということを忘れがちになります。

自社との取引が安全・安心であるアプローチの方法は、自社のリスクマネジメントからスタートします。

BCPという防災への取り組みは、企業が自身のリスクを管理し、災害発生時でも事業を継続できるようにする重要な要素で、社会的責任の一環として防災活動に参加することは、企業の信頼性を向上させ、ステークホルダーとの良好な関係を築くのに役立ちます。

持続可能な経営は今日の消費者にとって重要であり、防災活動やSDGsへの取り組みは市場競争力を高める要因となり、市場競争力の向上に繋がります。

BCP策定で行う災害の予防や対策は、資産やリソースの効率的な管理を促進し、環境への負荷を減少させることになり、防災技術やサービスの提供は、新たなビジネス機会を創出する可能性があります。

企業の防災活動やSDGsへの取り組みを透明かつ明確に報告し、ステークホルダーとの信頼関係を構築していくことが、新たな経営戦略となります。

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